The Pretty Things / get the pictuer? (1965)


Fontana TL5280
You Dont't Believe Me
(Page-Graham-May-MMorrell)
Buzz The Jerk (May-Taylor)
Get The Picture? (May-Taylor)
Can't Stand The Rain (May-Taylor-Grahaam)
Rainin' In My Heart (West-Moore)
We'll Play House (Aldo-Grandy-May-Taylor)
You'll Never Do It Baby (Smith-Fox)
I Had A Dream (Witherspoon)
I Want Your Love (Dee-Tarr)
London Town (Russell)
Cry To Me (Russell)
Gonna Find Me A Substitute (Turner)
< CD BONUS TRACKS >
Get A Buzz / Sittin' All Alone / Midnight To Six Man /
Me Needing You / Come See Me / £.S.D
 今回はプリティ・シングスの2ndアルバム『get the picture?』を取り上げてみました。活動期間が長かったバンドだけに(現在も初期のメンバーで本格的に再結成をして活動していますが)、イメージをつかみにくいところがあるので、そういう意味でもほとんどの作品がCDとしてリイシューされた今、聴き直してみるとあらためてこのアルバムがもつ意味は大きいように思います。

  プリティ・シングスというと、ローリング・ストーンズのオリジナル・べーシストであったディック・テイラーがストーンズを脱退後に結成したバンド(ここではギターを弾いてます)というイメージがあいかわらず強いようで、実際僕自身も長い間そう思っていました。 しかも僕の場合は、最初に耳にしたのがスワン・ソングに在籍しているころのハード・ロック路線(それもアメリカのマーケットを意識しているような)のものであったために、どちらかといえばあまり強い興味を抱くバンドではなかったわけです。
  しかしCDで再発されるようになって、ようやく初期の音源をじっくりと聴く機会ができて、けっこう驚いてしまいました。
  こんなこと書くと怒る人がいるかもしれませんが(笑)、「ストーンズよりカッコいいやん(すいません大阪弁で…)」と思ったぐらいです。

  とくに1stアルバム『The Pretty Things』はこの時代のほかのバンドと同様に、収録曲のほとんどはボ・ディドリーやチャック・ベリー、ジミー・リードといったアメリカのR&Bやブルース・ナンバーのカバーですが、とくにストーンズなんかの場合はわりとアレンジに忠実に演奏しているのに対し、自分達のオリジナルのサウンドにいかに仕上げるかというところにポイントが置かれているようで、曲によっては同じ曲とは思えないぐらいワイルドな感じが気持ちいいぐらいです。
  数多いプリティ・シングスのアルバムの中で、「ガレージ・パンクの元祖」とまでいわれるようになった彼ららしさを感じられるのは、このアルバムがいちばんでしょう。

 さらにわずか9ヶ月後に発表された『get the picture?』になると、よりギターのリフを強調したスピード感ある演奏を聴くことができます。しかもオリジナルが増えたためか、それに加えてサウンドに柔軟性が増してが、全体的にバラエティー豊かなものになっています。プリティ・シングスの代表作というより、この時代のブリティッシュ・ビートを代表するアルバムだといっても過言ではないですね。しかしこのアルバムが発表された当時は、メンバーのスキャンダラスな部分ばかりがクローズアップされたために音楽的な評価を得られず、セールス的には失敗。チャート的にはこのあともいまいちな状態が続いきました。
 とはいえ、このアルバム以後もシングルとして発表した曲は粒ぞろいで、CDにボーナス・トラックとして収録されているそれらの曲を聴くと、バンド自体が不調であったというわけではないというのが伝わってきます。
  そしてこの勢いをもって、3枚目のアルバム『Emotion』を間に挟んでEMI/コロンビアへ移籍。現在では史上初のロックオペラ・アルバムとして評価も高い『S.F. Sorrow』の制作に取りかかるわけです(実にザ・フーの『Tommy』よりも14ヶ月も前!)。

  その後は、リーダーであったディック・テイラーの脱退や何度かのレコード会社の移籍などを経て76年に一度は解散しますが、再編と解散をくり返して、95年に初期のメンバーで本格的に活動を再開。以後は順調に活動を続けています。その中には、過去の音源の再発作業だけでなく『S.F. Sorrow』を再現したライブや、さらにその音源を収録したアルバムやニューアルバムの発表もあり、なかなかタイトでしかも渋みを増した演奏を聴かせてくれています。
 日本でもこのまま評価が高まって来日コンサートも実現、なんていうことになってほしいですね。

※入手可能なCDは、ボーナス・トラッ6曲を含む全18曲収録のイギリス盤(Snapper SMMCD 549)とこれに解説を付けた日本盤(ヴィヴィッド VSCD2782)があります。SPVという会社から出ているドイツ盤もあるんですが、音質がよくない上にボーナス・トラックなどもないし値段も高いので、Snapper盤をおすすめします。