Them / (Angry Young)Them (1965)

Decca LK4700
Mystic Eyes (Morrison)
If You Couldn't Be As Two (Morrison)
Little Girl (Morrison)
Just A Little Bit (Gordon)
I Gave My Love A Diamond (Berns)
Gloria (Morrison)
You Just Can't Win (Morrison)
Go On Home Baby (Berns)
Don't Look Back (Hooker)
I Lile It Like That (Morrison)
I'm Gonna Dress In Black (Gillon)
Bright Lights Big City (Reed)
My Little Baby (Berns-Farrell)
(Get You Kicks On)Route 66 (Troup)
 2000年の記念すべき(?)第1回目は、ゼムの1stアルバム『(Angry Young)Them』を取り上げることにしました。
 現在も現役で活躍しているヴァン・モリソンが在籍していたという以上に、重要なグループのひとつであるこのバンドは、数多いカバー・バージョンが存在する「グロリア」という曲があまりにも有名であるために、かえって過小評価されているような気がします。

  北アイルランドのベルファーストで結成されたゼムが、ロンドンに拠点を移しデッカ・レコードと契約したのは1964年のこと。同年の9月にアメリカのブルーズ・シンガーであるスリム・ハーポのナンバーをカバーしたシングル「Don't Start Crying Now」でデビューしますが、この時はあまり注目されませんでした。しかし、2枚目のシングルとして発表した「Baby Please Don't Go」が人気テレビ番組『レディー・ステディ・ゴー』のテーマ・ソングに使用されて一般 的な人気を獲得。その次に発表した3rdシングル「Her Come The Night」は英米ともに大ヒットを記録しました。

  そうした状況の中で、発表されたのがこの1stアルバム『(AngryYoung)Them』で、バンドとしての好調状態を反映してか当時の主流であったシングルの寄せ集め的なアルバムの製作方法とは一歩もニ歩も進んだ、メンバーの意志が十分に感じられる内容になっているのが特長です。
  中でもアルバムの1曲目に収録されている「Mystic Eyes」などは、当初インストで録音する予定であったのに、スタジオでヴァン・モリソンが即興で歌詞をつけたという、その後の活動の充実をうかがうことができるエピソードも残っています。

  現在では、のちにシャドウ・オブ・ザ・ナイトがカバーして大ヒットを記録することになる「グロリア」が収録されていることで有名なアルバムですが、ほかの曲もオリジナルやカバーに関係なくブルーズ色で統一されていて、ブルース志向が強かった当時のバンドが発表した数多いアルバムの中でも、マスト・アイテムのひとつにあげられる名盤だといえるでしょう。

※現在入手可能な日本盤CDは、デラム(ポリドール POCD1977)です。デジタル・リマスターによる全曲オリジナル・モノラル・バージョンで再発されています。