Gerry and The Pacemakers / Ferry Cross The Mersey(1965)

Columbia 33SX 1693(mono)
SCX 3544(stereo)
It's Gonna Be All Right (Marsden)
Why Oh Why (Marsden)
Fall In Love (Marsden)
Think About Love (Marsden)
I Love You Too
by The Fourmost (Jacques-Ryan)
All Quiet On The Mersey Front
by The George Martin Orshestra (Martin)
This Thing Called Love (Marsden)
Baby You're So Good To Me (Marsden)
I'll Wait For You (Marsden)
She's The Only Girl For Me (Marsden)
Is It Love by Cilla Black (Willis)
Ferry Cross The Mersey (Marsden)
 60年代はじめ以降、数多くのバンドやミュージシャンを排出してきた港町・リバプール。最近でこそそんなことはなくなりましたが、ほんの10数年前ぐらいまでの日本では、本来リバプール出身のグループなどを呼ぶときに使う「リバプール・サウンド」や「マージービート」という言葉が、60年代のイギリスのバンドやミュージシャンの総称として使われていました。それぐらいリバプール出身のバンドの活躍、とくにビートルズの存在は大きかったということなのでしょう。
  しかし、そのビートルズでさえも成しとげられなかった、デビューから3曲連続全英1位 を獲得という記録をもつ、リバプール出身のバンドがありました。それが今回紹介する、ジェリー・アンド・ザ・ペースメイカーズです。

  ジェリー・アンド・ザ・ペースメイカーズは、ギターとボーカルを担当するジェリー・マーズデン率いる4人組で、62年6月にビートルズに続く形で彼らのマネージャーでもあったブライアン・エプスタインと契約。翌年、EMI傘下のコロンビア・レーベルから、こちらもビートルズと同じジョージ・マーティンがプロデュースを担当したシングル「How Do You Do It(恋のテクニック)」でデビューしました。以降67年に解散するまでイギリスで9曲、アメリカで11曲のヒットを放つことになります。とくにこのデビュー・シングルから、3枚目のシングル「You Never Walk Alone」まで立て続けに全英1位を獲得し、リバプールだけでなくブリティッシュ・ビートを代表するバンドとなりました。

  このアルバムは、そんな彼らの2枚目のアルバムにあたるものなのですが、厳密にはオリジナル・アルバムではなく、65年に公開された彼らの主演映画のサウンド・トラック・アルバムとして発表されたものです。そのため全12曲の内3曲は、同じリバプール出身のシラ・ブラックやザ・フォーモスト、それに音楽監督とプロデュースを担当したジョージ・マーティン・オーケストラのインスト・ナンバーがそれぞれ1曲ずつ収録されているという構成になっています。

  マージー河をバックにしたジャケットの写真が印象的なこのアルバム。ブリティッシュ・ビート・バンドとしての彼らの魅力は1stアルバムの方がわかりやすいのですが、いわゆる「リバプール・サウンド」をもっとも体現し絶大なる人気を獲得したイメージが伝わりやすいのはやっぱりこちらのアルバムでしょう。
とくに、代表作のひとつでもあるタイトル曲「Ferry cross The Mersey(マージー河のフェリー・ボート)」は、リバプール讃歌であると同時にイギリス全土で長く愛され続けている曲のひとつでもあります。
89年、地元リバプールのサッカー場で起こった暴動で犠牲になった人たちへの見舞金を集めるために、企画されたチャリティ・レコードでこの曲が使われることになり、ジェリー・マーズデン自らがメイン・ボーカルをつとめ、見事全英1位 を獲得しました。

  ちなみに、3枚目のシングルだった「You Never Walk Alone」は、リバプールFCというサッカーの地元クラブチームの応援歌として親しまれていて、64年以来、試合の時にはスタジアムで必ず大合唱が起こるそうです。

※CDでいちばん入手しやすいのは、97年にEMI100周年を記念したシリーズのひとつとして再発されたイギリス盤(EMI 7243 8 56567 2 9)です。これには、オリジナル盤に収録されていた12曲のモノラル・バージョンとステレオ・バージョンの全24トラックが収録されています。
 また、アメリカのみでシングルとして発表された曲など14曲をボーナス・トラックとして追加収録したドイツ盤(Repertoire 4423-WY)もありますが、音質的にはイギリス盤の方が優れているようです。