The Zombies / Odessey & Oracle (1968)

CBS 63280(mono)
S63280(stereo)
Care Of Cell 44 (Argent)
A Rose For Emily (Argent)
Maybe After He's Gone (White)
Beachwood Park (White)
Brief Candles (White)
Hung Up On A Dream (Argent)
Changes (White)
I Want Her She Wants Me (Argent)
This Will Be Our Year (White)
Butcher's Tale(Western Front 1914) (White)
Friends Of Mine (White)
Time Of The Season (Argent)
< CD BONUS TRACKS >
UK Edit(Big Beat):
A Rose For Emily (Alternate Mix 2) / Time Of The Season (Alternate Mix) / Prison Song (Care Of Cell 44 Backing Track)
JP Edit(TEICHIKU):
I'll Call You Mine(single Version) / Time Of The Season(US Radio Spot)
 98年に4枚組のCDボックス『ゾンビー・ヘブン』が発売されて以来、オリジナル・アルバムのCD化なども含めて再評価の動きが高まっているゾンビーズ。今回は、ブリティッシュ・サイケの傑作と呼ばれている、『オデッセイ・アンド・オラクル』を取り上げてみました。

 64年に、「She's Not There(シーズ・ノット・ゼア)」でデッカ・レコードからデビューしたゾンビーズは、このシングルが本国で12位 、アメリカで2位を獲得するなど幸先のいいスタートきり、一躍人気グループの仲間入りを果 たしました。
  しかし、活動の中心をセールス的な人気が本国より高かったアメリカに移していったために本国での人気は低迷していき、1stアルバムである『Begin Her(ビギン・ヒア)』は高い評価が得られず、セールス的にも失敗という結果 になりました。
その後も、数枚のシングルを発表するものの、65年の3rdシングル「Tell Her No(テル・ハー・ノー)」が6位になった以外に英国ではヒットに恵まれず、ついに67年にはデッカ・レコードを離れてしまいます。

  同年あらたにCBSレーベルと契約したゾンビーズは、6月にアルバムの製作を開始。翌68年にこの『オデッセイ・アンド・オラクル』を発表します。
  当時の最新技術を備えたアビー・ロード・スタジオを中心にレコーディングがおこなわれたこのアルバムは、現在では「コンセプト・アルバムの傑作」として高い評価を得ていますが、しかし本国で発売された当初はとりたてて大きな反響は得られませんでした。
  しかも先行して発表された2枚のシングルもまったく話題にならなかったこともあって、リード・ボーカルのコリン・ブランストーンが脱退を表明するなど、このアルバムを製作中にバンドは解散することを決定。アルバムが発表されたときにはすでに、中心メンバーであるロッド・アージェントとクリス・ホワイトは、新しいバンドの結成に動き始めていました。
  このアルバムが現在のような高い評価を得るようになったのは、皮肉なことに先行シングルの不発によって、一時は発表が見送られていたアメリカからでした。アメリカでは、イギリスより2ヶ月遅れでこのアルバムが発表されるのですが、それに続いて「Time Of The Season」があらためてシングルとして発売されると全米3位を獲得。その後、世界的な大ヒットを記録することになりました。この成功でゾンビーズは活動中以上の知名度を得ることになったと同時に、さらにこのアルバムはブリティッシュ・ビートを代表する傑作アルバムのひとつと呼ばれるようになりました。

  独特のコーラス・ワークをいかした演奏の確かさや楽曲の充実度、ジャケットのアート・ワークとどれをとっても、名盤と呼ぶにふさわしいこのアルバム。ゾンビーズというバンド自体が、ブリティッシュ・ビート・ファン以外には、いまいち評価が低い気がしないでもないですが、きっとどんな時代になってもこのアルバムが放つ輝きは、変わることはないでしょう。

※このアルバムのCDは何種類かありますが、現在はイギリス盤(Big Beat CDWIKD181:これに日本語の解説をつけたP-VINE盤もあります)と、日本盤(TEICHIKU TECW-20897)が入手しやすいようです。基本的にどちらも、モノラル・バージョン+ステレオ・バージョンの計24曲、それにボーナス・トラックという構成となっています。
イギリス盤のボーナス・トラックは、「A Rose For Emily」のオルタネイト・トラック2と、「Time Of The Season」のオルタネイト・ミックス、「Care Of Cell 44」のバック・トラックの3バージョン(すべて4CDボックス・セット『ゾンビー・ヘブン』には未収録)。
日本盤の方には、シングル「Time Of The Season」のB面でオリジナル・アルバムには未収録だった「I'll Call You Mine」と、「Time Of The Season」のUSラジオ・スポットの2トラックが収録されています(こちらは『ゾンビー・ヘブン』に収録済)