The Rolling Stones / The Rolling Stones(1964)

Decca LK4605
Route 66 (Troup)
I Just Want To Make Love To You (Dixon)
Honest I Do (Leed)
Mona (I Need You Baby) (McDaniels)
Now I've Got A Witness (Phelge)
Little By Little (Phelge -Specter)
I'm King Bee (Moore)
Carol (Berry)
Tell Me (Jagger-Richard)
Can I Get A Witness (Holland-Dozier-Holland)
You Can Make It If You Try (Jarrett)
Walking The Dog (Thomas)
 ストーンズやビートルズは、わざわざ取り上げるまでもないだろうと思っていたのですが、逆にメジャー過ぎてどのアルバムから聴けばいいものか迷う人がいるという話をたまに聞くことがあります。
  それで、今回はローリング・ストーンズの1stアルバム『The Rolling Stones』を取り上げることにしました。どのアルバムにしようかいろいろ迷ったのですが、この時代のストーンズのアルバムを1枚選べといわれたら、やっぱりこれになるのではないでしょうか。  

 1964年4月に発表されたこの作品。全12曲中、メンバー全員の競作でナンカー・フェルジ名義のインスト「Now I've Got A Witness」と、フィル・スペクターとの競作ナンバーである「Little By Little」、ジャガー&リチャード名義での初オリジナル作品「Tell Me」の3曲を除く9曲がカバーという構成になっています。その中心になっているのは50年代のブルーズ・ナンバーなのですが、そこで聴けるのは単なるR&Bのイミテイター的なものではなく、すでにストーンズ・サウンドと呼んでもいい独自のビート感が感じられます。  もちろんまだまだ荒削りで、独特のしなやかさは足りません。しかし、だからこそ逆にR&Bスタイルをギター中心のサウンドに消化するアレンジ力の非凡さを感じることができます。そしてこれこそが、このアルバムのいちばんの魅力であり、36年もたった現在でもまったく古びたものになっていない理由かもしれません。

  僕がこのアルバムをはじめて聴いたのは、80年代の初めというころのことだったのですが、とにかくすごく新鮮でカッコよかったですね。
  ボ・ディドリーやマディ・ウォーターズといった人たちの名前を知ったのもこのアルバムというか、ストーンズがきっかけでした。
  ちょうど洋楽の聴きはじめにこのアルバムと出会えたことで、偏見をもたずに音楽を楽しめるようになったと思っています。きっと僕と同じように感じている人は、世界中にたくさんいるのではないかとこのアルバムを聴くたびにそう感じます。

  ご存じの通り、現在ストーンズのデッカ時代のCDはアメリカ編集盤フォーマットに世界的に統一されているので、当然イギリスでの1stであるこのアルバムのCDも廃盤です。
  しかし、アメリカでの1stアルバム『England's Newest Hit Makers』は、この英盤の4曲目の「Mona」をはずして、代りに当時の最新シングルであった「Not Fade Away」を1曲目にもってきただけなので、それほど印象が違うということはありませんし、アメリカ盤CDででもこのアルバムの「熱さ」を感じることは十分可能だと思います。

※現在ローリング・ストーンズのCDは、すべてアメリカ盤フォーマットに統一されているので、このイギリスでの1stアルバムのCDは廃盤となっていますが、一部収録曲の異なるアメリカでの1stアルバムのみCDの入手が可能です。