The Kinks / something else by the KINKS (1967)

Pye NPL18193
David Watts (R.Davis)
Death Of A Clown (R.Davis-D.Davis)
Two Sisters (R.Davis)
No Return (R.Davis)
Harry Rag (R.Davis)
Tin Soldier Man (R.Davis)
Situation Vacant (R.Davis)
Love Me Till The Sun Shine (D.Davis)
Lazy Old Sun (R.Davis)
Afternoon Tea (R.Davis)
Funny Face (D.Davis)
End Of The Season (R.Davis)
Waterloo Sunset (R.Davis)
< CD BONUS TRACKS >
Act Nice And Gentle / Autumn Almanac / Suzannah's Still Alive / Wonderboy / Polly / Lincoln County / There Is No Life Without Love / Lazy Old Sun
 今回のこのコーナーは、最近紙ジャケット仕様でのCDの再発でもりあがっているキンクスの『Something Else By The Kinks』を取り上げることにしました。5枚目のオリジナル作品として、67年に発表されたこのアルバムを最高傑作にあげるファンも多いことでしょう。かくいう僕も、いちばんよく聴いたキンクスのアルバムはこの作品です。

  今回再発された12アイテムの中で、いちばん興味というか購買意欲をそそられるのは、オリジナル盤の特殊ジャケットを完全再現したという『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡』だと思うんですがアルバムとしての完成度ではこの『サムシング・エルス』がいちばんなのではないかと思います。
  もちろん好みの問題は人それぞれですが、キンクスというバンドを語る際に必ずいわれる「英国の市井の人々の生活」を描いているという詞の世界が完成をみたのがこの作品なのではないかと思うわけです(もちろん、これ以後も深化していくわけですが…)。
  さらに、サウンド面でも実験的な試みがさりげなく取り入れられているあたりも、このアルバムがブリティッシュ・ビートを代表する名盤と呼ばれる理由だといっていいでしょう。 そしてなんといっても名曲「ウォータール・サンセット」。これ1曲だけでも、このアルバムが発表から30年以上がたった現在でも、そしてきっとこれからも語りつがれていく名盤であることを決定づけているように思います。

  いちおうプロデューサーのクレジットは、デビュー作からのつきあいであるシェル・タルミーになっていますが、事実上レイ・デイビスがプロデュースを手がけた最初の作品であることことは間違いないでしょう。
  いわゆる「キンキー・ワールド」が思う存分展開しはじめるのもこの作品からということになります。そういったいろいろな要素がとてもうまく結びついていることも、このアルバムが代表作にあげられる一因であるのかもしれません。

  今回再発になった紙ジャケット仕様でのCDは、ステレオ・マスターが使われています。数年前に、レイ・デイビス自身も参加していた再発プロジェクトでまとめて再発されたCDでは、はじめてモノ・マスターを使ったということが話題にもなっていたのですが、今回の再発ではあえてステレオ・マスターを使用したそうです。といっても、それ以前に出ていたCDとはミックスなどもかなり違うようです。
  もともとこのアルバム自体がステレオ・バージョンのみで発表されていたので、よりオリジナル盤に近くなったということなのでしょう。
  同時に再発されたほかのアルバムに関しても、同じようにオリジナル盤に近い音質を再現したミックスが使用されているそうです。
  それとこのアルバムに関していえば、デジタル・リマスター盤CDではなぜか、ジャケットの色がまったくイメージとは違う色になっていたのですが、その点も改善されています。

※現在入手できるCDは、シングルでのみ発表された曲などボーナス・トラック8曲を追加収録したデジタル・リマスター盤で、レイ・デイビス自身の意向を反映し、CDとしては初めてモノ・マスターが使用されています。日本盤はビクター(VICP-60225)。また、2000年4月21日に日本のみで発売された、限定盤の紙ジャケット盤もあります(VICP-60998)。こちらはボーナス・トラックのないオリジナル・フォーマットと同内容で、ステレオ・マスターが使われています。