The Who / A Quick One(1966)

Reaction 593-002
Run Run Run (Townshend)
Boris The Spider (Entwistle)
I Need You (Moon)
Whiskey Man (Entwistle)
Heatwave (Holland-Dozier-Holland)
Cobwebs And Syrange (Moon)
Don't Look Away (Townshend)
See My Way (Daltrey)
So Sad About Us (Townshend)
A Quick One (Townshend)
< CD BONUS TRACKS >
Batnman / Bucket T / Barbara Ann / Disguises / Doctor,Doctor / I've Been Away / In The City / Happy Jack(Acoustic Version) / Man With Money / My Generation-Land Of Hope And Glory
 今回、このコーナーで取り上げるアルバムは、ザ・フーのイギリス・オリジナル・アルバムとしては2枚目となる『A Quick One』です。
  現在のところ、1stアルバム『My Generation』がアメリカ盤仕様でしかCD化されていないこともあって、英国オリジナルに近い状態でCD化されているアルバムでは、もっとも初期のアルバムということになります。
  それだけに、この後次々に名作と呼ばれる作品を発表していき、英国を代表するビッグ・ネームになっていく前のザ・フーというバンドの魅力がもっとも感じられるアルバムです。

 このアルバムのいちばんの特徴として、メンバー全員が積極的に曲作りに参加しているということがあります。
  これには諸説あるのですが、ライブではおなじみとなった楽器やセットを破壊するパフォーマンスのために経済的な余裕がなく、音楽出版社からメンバー全員が印税を受け取れるようにと考え出された苦肉の作というのがもっとも有力のようです。
  しかし結果的に、アレンジやサウンド面でもさまざまなアイデアが試され、あらゆる面 で非常にバラエティー豊かなアルバムになりました。
  確かにほかのザ・フーのアルバムと比べると、多少まとまりに欠ける部分があることも事実ですが…。
  ブリティッシュ・ビートのお手本ともいえるサウンドでカバーされたモータウン・ナンバー「Heatwave」をはさんで、収録されているのは全10曲。ライブでは必ずといっていいほど演奏されるジョン・エントウィッスルが書いた「Boris The Spider」や、キース・ムーン作のインスト・ナンバー「Cobwebs And Strange」など、それぞれの個性が存分に活かされた内容になっています。
  しかしなんといっても、このアルバムのいちばんの聴きどころは、最後に収められていたアルバムのタイトル曲でもある「A Quick One」です。この曲は、ピートが書いた最初のロック・オペラ曲であり、ある意味でこの後のザ・フーというバンドの方向性を決定づけた1曲であるといっていいでしょう。

  単純にザ・フーの2枚のアルバムと言う以上に、現在でも全盛期と変わらない大きな支持を受けているザ・フーというバンドの原点がつまったアルバムだといえそうです。

アルバムのCDは、95年にボーナス・トラック10曲を追加収録してリイシューされた ものが現在入手可能です。デジタル・リマスター化の際に、オリジナル・マスターの状態がよくなかったことなどが原因で、1曲目の「Run Run Ru」がモノラル・バージョンで、それ意外の曲はステレオ・バージョンで収録されるという違いがあるものの(「Whiskey Man」は疑似ステレオ・バジョン)、各パートの音のバランスなどはそれほどは手を加えられていないようです。また、ボーナス・トラックは同時期に発表されたEP『Ready steady Who』収録のナンバーを中心に、シングルのB面 曲などが収録されています。
日本盤はポリドール(POCP-7064)から