The Kinks / The Kink Kontroversy(1966)

Pye NPL18131
Milk Cow Blues (Estes)
Ring The Bell (Davies)
Gotta' Get The First Plane Home (Davies)
When I See That Girl Of Mine (Davies)
I Am Free (Davies)
Till The End Of The Day (Davies)
The World Keeps Going Round (Davies)
I'm On An Island (Davies)
Where Have All The Good Times Gone (Davies)
It's Too Late (Davies)
What's In Store For Me (Davies)
You Can't Win (Davies)
< CD BONUS TRACKS >
Dedicated Follow Of Fashion / Sittin' On My Sofa /
When I See That Girl Of Mine(Unreleased Demo:Mono)/ Dedicated Follow Of Fashion(unreleased Altanate Take:stereo)
 いよいよBBC音源のCD化も決定したということで、今回はキンクスの3枚目のアルバムである『キンク・コントラヴァーシー』を取り上げることにしました。
 このアルバムは、全英8位を記録し初期キンキー・サウンドの集大成ともいわれている第9弾シングル「Till The End Of The Day」や、そのB面に収録されていた「Where Have All The Good Times Gone」が含まれているものの、全体としてはパイ後期やそれ以後のキンクスのサウンドの方向性がかなりはっきりした形で現れるようになった最初の作品といっていいでしょう。

 このアルバムのレコーディングが開始されたのは、マネージメント絡みの訴訟問題などがあり、レイ・デイヴィス自身も「曲が書けない」というスランプ状態。バンドの方もメンバー同士がステージ上で大喧嘩をするなど、あまりいい状態ではありませんでした。
 そんな中ではじめられたということもあってか、1曲目に収録されているブルーズ・ナンバーのカバー「Milk Cow Blues」やシングル・ヒットした「Till The End Of The Day」のようなビート・バンド的なものが含まれてはいるものの、全体的なイメージとして見えてくるのは、あきらかにそこから逸脱しようとしているバンドの姿です。

 アコースティックに仕上げた「Ring The Bell」やフィル・スペクター的なサウンドを狙った「The World Keeps Going Round」など、サウンド面での変化はいうまでもなく、レイが書く歌詞もよりアイロニカルなものへと変化しています。とくにカリプソ風にアレンジされた「I'm On An Island」などは、レイ自身も「はじめて皮肉っぽいユーモアを歌ってみた」と語っ   ているぐらいです。
  そういった意味でも一般にいわれている「過渡期的な作品」とであることも間違いではないのですが、しかしそれ以上にキンクスというバンドを語る上で欠かすことのできないアルバムだといっていいでしょう。
  また、フォーク・ロック的なアプローチの「I Am Free」をはじめとして、デイブ・デイヴィスのクリエーターとしての実力がより以上に発揮されはじめたという点でも、聴きどころの多い作品です。

  レイ・デイヴィス自身が「いちばん気に入っている曲」だと語っているという「Till The End Of The Day」や、デビッド・ボウイなどのカバー・バージョンでも知られる「Where Have All The Good Times Gone」が収録されているという以外には語られることの少ないこのアルバムですが、パイ時代のベスト作だという人も意外に多くて、ファンの間で人気が高い作品のひとつでもあります。

※このアルバムは何度かCD化されていますが、98年からはじまったリマスター再発プロ ジェクトによって再CD化されたものが現在入手可能です。再CD化にあたり、シングルのみで発表された曲や未発表デモ曲など4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。日本盤はビクター(VICP-60223)から。