The Kinks / The Kinks Are
The Village Green Preservation Society(1968)

Pye NSPL 18233
The Village Green Preservation Society
Do You Remember Walter
Picture Book
Johnny Thunder
Last Of The Steam-Powered Trains
Big Sky
Sitting By The Riverside
Animal Farm
Village Green
Starstruck
Phenomenal Cat
All Of My Friends Were There
Wicked Annabella
Monica
People Take Pictures Of Each Other
 今回このコーナーで紹介するのは、キンクスの英国通算7枚目のアルバム『ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェーション・ソサエティー』です。

 レイ・デイヴィスの初プロデュース作として68年に発表されたこのアルバム。この時期、レイの愛読書だったというイギリスの詩人、ディラン・トマスの作品『ミルクの森で(Under Milk Wood)』からインスパイアされたコンセプト・アルバムで、現在ではキンクスの最高傑作にあげるファンも多く、人気の高いアルバムです。
  しかし、リリースされた当時はさまざまなトラブルが重なり(そのほとんどはレイ・デイヴィスの意志によるものですが…)、まったく注目されることはありませんでした。

 もともとこのアルバムは、アメリカでの所属レコード会社リプリーズが企画した『Four More Respcted Gentlemen』としてリリースされるはずだったものをレイ・デイヴィスがキャンセルし、その代りにイギリス盤と同じものをリリースするということで当初は12曲収録という形で完成。ジャケットはもちろん発売日なども決定し、パイ・レーベルは大々的なプロモーションを行うなど、注目を集める中で発表される予定でした。

 しかし、アルバムの完成度が気に入らなかったレイの意志でまたもキャンセルとなり、レコード会社は市場に出回る前にこのアルバムを回収。結局、予定されていた発売日から約2ヶ月ほどたってようやくジャケットも収録曲もミックスもまったく異なった15曲収録のアルバムが店頭に並んだころには、ごく一部のファン以外には話題にもなりませんでした。
  しかも、一部回収通告が遅れた国では12曲収録盤が出回るなど、さまざまな情報の混乱があって、チャート的にもまったく無視といっていいほど反応がなく、長い間このアルバムに対する評価はかなり低いままでした。

 もちろん、これ以後キンクスというバンドが活動していく中で、このアルバム対する評価も変化し、代表作のひとつとして高く評価されるようになりました。しかし、そんな現在の状況を考えるまでもなく、非常に英国的だといわれるコンセプトを含めて、傑作アルバムと呼ぶにふさわしい作品であることはまちがいありません。

※現在入手しやすいこのアルバムのCDは、ビクター(VICP-60227)です。リリース直後に回収された「12曲収録バージョン盤」に収録されていた全曲と「Days」のシングル・バージョンが、ボーナス・トラックとして追加収録されています。